空模様が怪しい感じになってきました。
京都からは雨との便りが。
沖縄も週明けには梅雨に入るだろうとの予報です。
自粛明けは 関東も梅雨になってるかもしれませんね・・
でも梅雨だって緊急事態宣言が解除になれば着物でお出掛けしたーい~~~
という訳で 雨の日の着物についてです。
雨の日には 着物を着るのを敬遠しがちですよね。
雨の日は着物を着ない!とおっしゃる方もいらっしゃいます。
この頃の雨は ちょっと当たっても すぐにシミになってしまうし
歩いていても泥跳ねが心配だし。
雨の日はきもので出かけない、というのも1つの選択ではありますが
それでは ちょっと寂しいです。
雨の日でも着物を楽しむ方法を考えてみました。
一番楽な方法は
洗える着物を1枚用意してしまうこと。
この頃は洗える着物でも 見た目ほとんど判らないものが沢山出てきました。
化繊でもランクがあって安いのはそれなりですけど
見た目にはほとんど絹と分からないものもあります。
お値段もプリントの中国小紋などよりお高いです。でも高いだけのことはある・・・
だけど やはり化繊は蒸し暑いのが欠点。
冬の雨にはいいけど 雨期から夏、秋の雨には汗ばみます。
下着は必ず 天然素材のものにしましょう。
着るなら やっぱり天然素材のきものが好き。
それならば まず、縮緬やお召しは避けましょう。
雨に当たると 当たった部分が見事に縮みます。
近頃のお召や縮緬は 織元で防縮加工をしているのが多いですが
アンティークや 頂きもののお召、縮緬は縮む危険が高いので 雨に日は避けた方が安全です。
縮緬やお召しで雨の日に出かける可能性があるならば ガード加工してしまうのも方法です。
ガードしてしまえば多少の雨なら怖くありません。
雨に強い生地は 大島や黄八丈など生糸で織られた紬です。
大島紬は小雨ならガード加工しなくても
弾いてしまいますし縮みません。 乾燥も速いです。
糸の周りのセリシンを残した生紬
(生紬は登録商標なので本当はしょうざん以外のものには使えないのだけど)も
水を吸いにくいので雨の日の味方です。
絹は水に弱い、と言われます。
繭の状態では水を弾きますが(水を吸ったら中の蛹が溺れてしまう)
糸にする段階で表面のセシリンをある程度除くことで
艶や風合いを得る換わりに水を弾きにくくなってしまうのです。
反物は着物として仕立てあがる以前に
友禅でも染めるにしても、紬で先染めにするにしても、何度も水やお湯を潜るのです。
ですから 着物自体が水に弱いのではなく
水に濡れた状態の絹糸が、外部の力に対して弱くなっているのです。
濡れた状態で無理な力を加えると(ゴシゴシ拭いたり 引っ張ったり)
生地が毛羽立ち傷んでしまいます。
濡らしてしまったら 慌てず騒がず こすらずに
なるべく早く脱いで 広げて乾かすようにしましょう。
でもやっぱり絹は怖い・・・と思われるなら
木綿、麻なら自宅で洗えるし水と仲良しの繊維です。
濡れるほど強くなる、とも言われます。
麻100%はまだちょっと早いですが 様々な割合の麻混の反物もあります。
紙から出来る紙布も実は水に強い繊維です。
着方としては 雨の日には着丈を出来るだけ短く着てしまいます。
おはしょりを二度揚げして
出先に到着してから ささっと下ろせばいいのです。
長くて透けないコートをお持ちなら
がばっと持ち上げて 帯に挟んでしまいます。
もちろん、紐があれば万全です。
雨コートといえば
市販の二部式や化繊のものをお持ちの方も多いと思います。
なぜだか 臙脂系が多くてお洒落な色柄が少ないです。
そこでお薦めしたいのは
機械織りの大島や黄八丈(もどき)など
シワになり難い シャッキリ系の紬を 防水加工してしまって
雨コート兼単衣コートに仕立てること。
4月~10月なら夏大島や小千谷縮で作っても素敵です。
衿は道行衿よりも 道中着衿の方が濡れる面積が少ないです。
雨コートにも塵除けにも単衣のコートとして簡単な防寒にもなるのでとても重宝です。
そして最後に足元。
カレンブロッソのカフェ草履は 泥はねが裾に付き難い踵のカットと
裏に鼻緒すげの穴が無いので 水が入り込まなくて雨の日の助っ人です。
近頃は別メーカーでも似た機能の草履が出ています。
雨の日用に 雨草履、雨下駄、雨カバー、いろいろありますが
洋装のレインブーツとは違うのでどのみち濡れます。
替えの足袋を必ずお持ちください。
木綿は保温・保湿に優れているので小寒い雨の日にピッタリ。
着物は平谷悠律子さんの手紡ぎ木綿、本藍絣木綿。
帯は経糸も緯糸も紙の諸紙布八寸。雨の日最強コンビです。
雨の日コーデを意識して カエルさんの帯留を使ってみました。
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