人間国宝の北村武資さんが2022年3月31日にお亡くなりになりました。
2020年に今の店に移ってからは北村さんの作品を扱っていませんでしたが、以前は毎年、羅や経錦の帯を扱っていました。
北村さんは「羅織」と「経錦」の2つの織で別々に重要無形文化財保持者(人間国宝)になっていて、染織界では一人で2つ持っている唯一の方でした。
追悼の意を表して過去にじざいやで暑かった帯の画像を並べます。ご覧ください。
まずは「羅」(ら)。
正倉院宝物の中にもあり、夏の最高峰。これ1つあればフォーマルから洒落ものまでオールマイティです。
「織る」より「編む」に近い組織を解明して、北村さんが独自の機を開発して復元しました。糸が斜めに渡るのが特徴です。
次に、「経錦」(たてにしき)
現在ほとんどの織物、 緯糸で柄を織りだす緯錦ですが、古くは経糸で柄を織り出した経錦でした。名物裂、有職文様と呼ばれるものが多いです。
格があり、1つあればフォーマル全てまかなえますし、金銀の使われてないものは熨斗目や黄八丈などの紬に合わせることができます。
北村さんのご冥福をお祈りします。