この頃は、羽織用の「羽尺」と呼ばれる反物の生産も減り、小紋の反物から羽織を仕立てることも多くなりました。そんな中、じざいやは、あえて手間隙かけて、よそにない絵羽羽織を染めたりしています。

羽織には脇にマチがあるので、絵羽の柄を繋ぐのに訪問着より手間がかかるのです。でも、着姿に見惚れてしまう素晴らしい長羽織になります。魅せる羽織です。思わず振り返って後をついて行きたくなるような、そんな羽織たち。

以下の写真はご参考。これまで作ったじざいやオリジナルの魅せる羽織です。

薔薇、藤の花、波うさぎ、衿だけ辻が花  4つの羽織

 

 

 

じざいやの「背勝り」の羽織

羽織の羽裏に凝るのが裏勝り。江戸時代に贅沢を禁止されたので、それでも我慢できずに、羽裏や八掛など見えない所に贅沢な模様を入れたりしました。

チャコールグレー地に短冊と花です。背中の方に柄をたっぷり描きます。

前は開いてしまって、着物と帯が見えますから、喧嘩しないように あっさりと引き気味に。その分、覆った背中にはたっぷりと柄を載せます。小紋などの総柄から作ったのでは味わえないお誂えの醍醐味です。

一点豪華主義 辻が花の羽織

辻が花の技術について、こちらもご参考までに。

桶絞りに型友禅の絵羽羽織

羽織の絵羽ですので、マチも衿の折り返しも全て柄合わせがしてあります。

判りますか? 訪問着より手間なんですよ、合口が多いですから。染分けのようですが、この染分けは「桶絞り」という絞りの技法の1つです。今では 職人さんも2人だとか・・・ 。

染分けで陰影をつけた四季の花は、流れるようで上品な柄付けになっています。

桜と葡萄。

染分けの境目で絞りだとわかりますね。揺らぎが優しい表情を醸します。

松から藤、小菊。

単衣の羽織にもお勧め。長羽織にするととてもエレガントです。

じざいやでは、秋になる頃、毎年こんな羽織をご提案しています。

オリジナルの羽織について、どうぞご相談ください。

ラインでのご相談もできます。