真向きの金魚がなんともコミカルで可愛いでしょ。すくい綴れの夏帯「金魚」です。

これ、元ネタがあります。

明治時代の日本画家、神坂雪佳(かみさかせっか)の 金魚玉図(きんぎょだまず)です。50年以上昔の絵ですから 著作権は切れてますのでご安心を。

メーカーさんが 夏帯の見本として持って来られたのを色味をじざいや好みに変えてもらいました。
夏は太陽に負けないインパクトが好きです。暑さを跳ね飛ばす勢いで。

前は あっさり涼し気に揺れる水草。ほんの少し銀糸を入れて涼やかさを演出しています。

透け感のある八寸帯なので太鼓裏に当たる部分には水色のよろけ織にして、金魚回りの白地に裏の水色が透けるように工夫されています。

芸が細かいのです。

トップの画像でもお分かりいただけると思いますが、金魚の身体の中の色も様々な織方や色の濃度を使い分けて深みを出しています。けっして子供っぽくならないのは きちんと手暇を掛けた手織りだから。

八寸なので帯芯が入らなくて涼しいです。夏は張りがあって 風通しのよい八寸が一番。

ちょっと着物を変えてイメチェン。